イタリック体の小文字の書き方を知ったら、次は大文字に挑戦してみたいと思うのは自然なことです。
小文字ほど使う頻度は多くありませんが、文章や単語の最初の文字は大文字になることが多いですからね。
だから避けては通れません。
というより、大文字の方が小文字よりシンプルで直線が多いため、上達するのは早いでしょう。
ここでは、大文字にチャレンジしてみようと思っている方に、大文字について全般的なことを解説した後で、AからZまで一文字ずつ、書き順を含めて説明していきます!
イタリック体の大文字の特徴
最初にイタリック体の大文字の特徴を説明しますね。
小文字と比較すると2つの点で違いがあります。
- 文字の高さ
- ペン先の角度
まず1点目、Xハイトと呼ばれる文字のボディ部分の高さは、ペン幅7.5です。
小文字は、ペン幅いくつだったか覚えていますか?
そう、ペン幅5でしたね。
実際に比較してみると、このようになります。

実際の文字で比較してみます。

実際の文字をみるとよくペン幅3.5の違いくらいがちょうどいいって、よくわかりますね。
では、もう一つの小文字との違いに話を移します。
2点目は、ペン先の角度でしたね。
小文字は45度。
では、イタリック体の大文字はペン先角度は何度でしょうか。
答えは、30度です。
これが何を意味するかというと・・・以下の写真を見てください。

線の幅が大文字(30度)の方が縦の線が太いですよね。
単純にペン先の角度を小さくすれば太くなるって、地味に感動してしまいました。
横線は細くなって、縦と横のコントラストが貯まらなくカッコいいわぁ~。
私の中では、ヨハネス・フェルメールの『手紙を書く女』が羽根ペンを使って大文字と小文字を使い分けている・・・。
その様子が目に浮かぶようで感激してしまうんですよね!!
カリグラフィーって歴史・文化・美術と絡めながら理解を深めるとすごく楽しい!!
「美文字を書きたい!」という一心でイタリック体をマスターしようとしている私ですが、知れば知るほどカリグラフィーの世界にハマっていくのです。。。。
(勉強したことをこのブログでシェアできるのが楽しみ!)
さて、そんな夢ものがたりから、目を覚ましたところで、具体的にイタリック体の大文字の書き順をAから順番にZまでご紹介していきますね!
退屈な人は、目次からお目当ての文字までスキップしてください。
イタリック体大文字の書き順etc.
ここでは、AからZまでの書き順や文字ごとの注意点を画像とともに説明していきます!
小文字ほど細かなポイントに気を付ける必要はないですが、書き順と私が補足している肝となる箇所に注意を払って練習してみてください。
※以下に掲載している写真についての注意事項:書き順やコメントを参考にしていただくのはOKなのですが、私はまだまだ修行中なので、字のお手本にはなりません。
小文字の書き順を復習したい人は、以下の記事を参考にしてください。

A

「A」は、1画目の角度をかなり急にすることを意識してみてください。
そうすれば、1画目を支えるように書かれる2画目が書けると思います。
3画目の横棒は30度をキープしているので、細めで高さの半分よりちょっと低めに位置することを意識してみてくださいね。
B

「B」は「D」が上下に2つ重なった感じ。
上の部分が下よりも少し小さくなるように書きましょう。
C

「C」の上の部分は平らです。
思ったよりも大胆なCですよね。他の文字と一緒に並んでいないと変な感じがします。
まぁ、私の腕が未熟だからですけど・・・。
D

「D」もかなり大きな面積を使います。
上と下の線は平らに近いです。
E

「E」の横線は、3本とも短いです。
真ん中の横線が最も短くなるように気を付けてくださいね。
F

「F」の2番目(下側)の線は、「E」の真ん中の横線よりも長いです。
そうしないとバランスが悪いから。
確かに短すぎると倒れちゃいそうです。
G

「G」は「C」の派生形って感じですね。
Cの形がきれいに書ければ、問題なく書けます。
「C」より落ち着いたたたずまいがありますね。
(いや、言っている意味がよくわかんない・・・)
H

「H」は想定以上に大きな横幅を使ってゆったりと書いてください。
横棒は細く、配置は上下の真ん中の位置よりも少し上に置くのがポイントです!
I

「I」がポツンといると、小文字のエルと間違えそうですね。
J

「J」は下の部分が7.5ペン幅より3幅くらい飛び出るので注意してくださいね。
こういうイレギュラーな文字があることこそが、カリグラフィー(手書き)の醍醐味です。
そうじゃなかったら、別にGoogleドキュメントやWordにタイプすればいいわけですもんね。
K

「K」は大文字の中で私が最も好きな文字です。
なんかエレガントな感じがするんですよね。全体のバランスがいいのかなぁ~。
最後のハネの部分が特に好きです。
L

「L」の最後のストロークを書いていると、まるで書道をしている気分になります。
シンプルだけど、気を抜くとうまくキマラナイですよ。
M

「M」は最後の方に出てくる「W」と比較してみてください。
単純に「W」を上下逆さまにしても同じ違いがわかるように、V字の空白部分が「M」の方が狭まっているんですよね。
縦線の傾きも急です。
よく似た文字をグルーピングして、まとめて練習する方法を大文字でも実践してみると良いでしょう。
N

「N」は極めてシンプルですが、縦の線の傾き度合いがバラバラだと話にならないので、神経を使います。
それから、下のトメの部分がきっちりと揃うようにね。
O

「O」は真ん丸ではありませんが、それでも大きな丸のように中央の空白部分が大きいですよね。
次の次に出てくる「Q」と比較してみてください。
P

「P」は単純そうに見えて、頭でっかちになりそうで難しく感じます。
ほんとバランスって大切。
この写真にある「P」を書いたとき、ちょっとお手本と違う気がしました。
3画目の部分がちょっとズレているんですよね。
絶対に真似しないでください。しつこいようですが、私の字はお手本にはなりません!
Q

「Q」は「O」と比較してみてください。
最後の尻尾がついたら、「Q」で、それ以外はまったくもって「O」と同じですね。
「O」と「Q」を並べて書くときに丸の中の空白部分が揃っていないと美しくないので気を付けてくださいね。
R

「R」も「K」と似て、エレガントな感じがしませんか?
私だけなのかな・・・。
それとも「Royal=王室の」というイメージがどこかで頭に入っていて、「R」を見ると高級感を感じるのかもしれないですね。
他にRで始まる単語で、高級感のあるものってなんだろー。
もしかして、ロールス・ロイスとか!?(笑)
S

「S」は書いていて楽しい文字です。
いつもクネクネした部分が上手くいくかスリル満点です。
「S」の書き順で、1番よりも2番を先に書く人がいますが、どちらでも構いません。
T

大文字「T」の横棒は予想以上に長いので、バランス感覚を失わないように、きちんと自立する「T」にしてあげてくださいね。
シンプルなものほど難しいわ、ほんとに。
U

「U」の場合は、小文字の「n」と同様に、中の空白部分をどれだけ大切に思って書けるかが重要ポイントのような気がします。
縦線2本の傾斜がきちんと揃っていないと上手に見えないでしょうね。
V

「V」は降りてくる棒の角度に気を付けないと、下の合流地点でうまく合致しません。
ペンが紙の上をうまく滑ってくれないこともあるので思い切って書くことが大切です。
(カリグラフィーって、慎重に書きすぎると失敗するので、大胆に書きまくって、後で復習した方が効果的だと私は思います)
W

「V」と同様に、縦線の角度に気を付けて思い切って書いてくださいね。
「M」のところでお伝えした通り、「W」と「M」は上下逆さまにしても同じ字のようには見えません。
小さな「V」が2つ並んでいるもの。それが「W」です。
X

「X」もどのように2本の線をクロスさせるかによって、バランスが崩れやすい文字です。
最終地点に目を配りながら、そこまでまっしぐらに突き進むと上手く書けるような気がします。
Y

「Y」は下の幹の部分に2本の枝が入っていく感じ。
そこを意識するとサラッと書けてしまいます。
幹の部分を短めにすることを忘れないように!
Z

「Z」の横棒は小文字よりも長めにすることを意識してください。
シンプルなだけに、横棒がちょっと震えてしまっています。
最後のハネのところまで気を抜けませんね!
まとめ
以上で、A~Zまでアルファベット26文字のイタリック体の書き順をお伝えしました。
小文字とは違う点があるので、ぜひ比較しながら練習していってくださいね。
練習用にグルーピングしてみると:
- I L T H E F
- A V W M N K X Z Y
- J U O Q C
- G D B R P S
このようになります。
まっすぐな線がたくさんあれば簡単なのかと思っていましたが、意外と丸い方が書きやすいと私は感じました。
さぁ、小文字と大文字、そして数字の練習に励みましょう!