「何事もコツコツと地道な努力をすることが上達への近道だ!」
なんてことを言われたりしますが、できることなら最短距離で上達できた方が嬉しいですよね。
別に精神鍛錬のために修行をしているわけではないので、カリグラフィーを究めた先輩たちの知恵を借りて、効率の良い練習方法を教えてもらえばいいんじゃなかなぁ~って私は思います。
この考えに賛成の方は、この記事を読み進めてください。
では、国内外のカリグラフィーの先生たちが書いている本や動画を参考にしながら、私なりにまとめた「初心者がイタリック体をマスターする効率の良い練習方法」を紹介します!
もくじ
最も効率の良い練習法とは?
カリグラフィー上達の最重要ポイントは、簡単に言うと、安定したストロークを量産できること!
よ~く観察してみればわかりますが、美しいカリグラフィー文字の特徴って、線や文字が揃っていることなんですよね。
だから、安定したストロークを生み出すための練習をすることが効率的な練習法と言えるんです。
早速、そこを踏まえた具体的かつムダを省いた練習方法をお伝えしますね。
道具編
ガイドシートなど気にせず、普通の方眼ノートを使い、ペンはパラレルペンか呉竹ZIGを使う。
要するに道具へのこだわりは、上達には関係ない!
ってこと。
もちろん、ある程度のレベルになれば、良い道具を揃えたり、人に見せるための作品を作ったりするので、良質の紙やきれいなインクで書けるペンなどが必要になってきます。
でも、人に見せられるレベルに達するまでは、道具なんてなんでもいいってことです。
実践編
1.上から下へのダウン・ストロークをひたすら練習する。
厳守すべきポイントは、ペン先の角度を一定にすること。
30度~45度の角度を保ってください。
一つ一つのダウン・ストローク(上から下への線)を等間隔に保ちます。
Xハイト(ボディー)の上の部分(アセンダー)に突き出る線、Xハイトの下の部分(ディセンダ―)に突き出る線なども並べて書いていきます。
強く意識することなく、ダウン・ストロークを一定のリズムでストレスを感じることなく書けるようになることが目標です。
カンタンそうに見えて、最も難しい練習と言えるかもしれないですね。
2.イタリック体の骨格を普通の鉛筆(ボールペン)で書く
一旦、カリグラフィーペンは使わないことにします。
ここでは、普通の鉛筆やボールペンなどを使って、イタリック体の小文字をa~zまで書いてください。
このとき、文字の傾斜角度がすべての線で揃っていることを確認しながら書いてくださいね。
この練習も予想以上に難しくて、線の傾斜がバラバラになってしまいます。
カリグラフィーの動画などを見ていると、スラスラと魔法のように、線の傾斜を一定に保ちながら書いていきます。
それこそ、練習の賜物なんです。
線と線の間隔や線の傾斜角度を一定にして書くことが、どんなに難しいかは実践したことのある人じゃないとわからないと思います。
3.似た動きの文字でグループ分けして、集中して練習
アルファベットってたった26文字しかありませんから、似た動き・線をもつ文字を分類することが可能です。
似たもの同士をまとめて練習してしまおうというのが、ここでの考え方です。
具体的にアルファベットをグルーピングしますね。
「簡単なものから難しいもの」となるように順序を決めています。
最も簡単なグループ: i, j, l, t, f (アイ、ジェイ、エル、ティー、エフ)
アーチ型: h, k, m, n, r, u, y
カーブ型: o, c, e, s
aグループ: a, d, g, q, b, p
vグループ: v, w, x, z
記号グループ: “.”, ; : ! ?
4.アルファベットをつづけて書く(間にnをはさむ)
aからzまで、順番に書いていきます。
ただし、aとbの間にnを入れ、bとcの間にもnを入れます。
d以降も同様です。
すべて書き出すとこんな感じ。
anbncndnenfngnhninjnknlnmnnnonpnqnrnsntnunvnwnxnynz
nを間にはさむ理由は、文字を連ねる際に等間隔に配置されていることを視覚的にとらえやすいからです。
以上の4つの練習を順番に実践していきます。
等間隔の線が書けない状態で、新しいステップを実践してもあまり効果的ではありません。
だけど、完璧を目指しすぎても、やる気が失せてしまいますよね。
各ステップについて、
「完璧じゃないけど、まぁまぁできるようになったんちゃない!?」
と思えたら、次に移るようにしましょう。
まとめ
書けば書くほど上手になるカリグラフィー。
練習回数と上達に密接な関係のあるスキルって裏切らないから好きです。
たとえば文章力や油絵などのスキルは、個人のセンスみたいなものが関与してくることが多くって、やればやるほど上手くなるとは言いにくいかもしれませんね。
カリグラフィーにも持って生まれたセンスのようなものが関係してくるんだぞ!
という主張もありそうですけど、練習量が上達に直結しているので、やりがいのある趣味・スキルだと思います。
効率的な練習方法の全容がわかったので、いよいよ実践練習を数多くこなしていく段階に来ましたね。
カリグラフィーの道は、コツコツと、そして賢く歩んで行きましょう!!